土地購入からの賃貸経営スタイル「土地からオーダーメイド賃貸」

立地も間取りもデザインも自由自在の不動産投資

長屋の規制強化で旗竿地がピンチ

国交省は「多数の狭小住戸からなる大規模重層長屋に関する検討会」を設置し、報告書をまとめました。

 

http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000086.html

http://www.mlit.go.jp/common/001194318.pdf

 

これによると、

  1. 全国の長屋の1棟あたりの住戸数は3.11戸で2~4戸が全体の85%を占める
  2. いわゆる路地状敷地に限ると1棟あたりの住戸数は平均で9戸/棟、10戸以上が全体の40%を占める
  3. 敷地形状のみで分けると、世田谷区では路地状敷地30%、通常の接道敷地69%。足立区では路地状敷地25%、通常の接道敷地75%
  4. 路地状敷地の面積分布は300㎡~500㎡が全体の42%、500㎡~1000㎡が46%を占める

旗竿地は接道の要件から分割が難しく、大きな区画となりやすいのですが、平均で10戸ということは、1戸あたり50㎡、容積率160%として50㎡✕10戸÷160%=約300㎡(100坪)あたりが旗竿地の面積のボリュームゾーンということでしょうか。

 

また、報告書ではこれらのデータから結論として

  1. 敷地内通路の幅員として、重層長屋の規模に応じて避難上支障のない幅員とする必要がある
  2. 敷地の路地状部分の幅員についても同じ

と、大規模化する長屋の避難規定を強化すべきと結論づけています。

 

これを受けて東京都でも規制強化に乗り出します。

  1. 住戸の延べ面積が300㎡を超えるまたは住戸数が10を超える場合は敷地内通路を2mから3mに強化する
  2. 各戸には主要な出入り口以外からも道路に通ずる50cm以上の通路を設置する
  3. 最も遠い主要な出入り口までの距離が35mを超える場合は敷地内通路の幅員を4mとする
  4. これに加えて各区市町村が独自に条例の制定が可能

 

延べ面積300㎡というと容積率160%として約185㎡(55坪)の面積の旗竿地から規制が強化されるようになります。

住宅用地としては高価過ぎ、長屋としては収支が合わず、という旗竿地は今後、市場での競争力を失ってしまうのでしょうか?

 

規制強化の動向も注目ですが、こういった土地の有効利用方法も再検討する必要があるのだと思います。

 

(渡辺博之)

 

   

 - blog