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東京とニューヨークの統計を比較すると・・・

先週、IREMの総会がアメリカ・シカゴであり、弊社の緒方が参加しました。その帰りにシカゴから来る緒方とニューヨークで合流して建物や街を視察してきました。

ニューヨークは2000年、9.11のちょうど1年前に行って以来17年ぶりでした。

17年の間にチェルシー地区のように全く変わった街もあれば、ミッドタウンのように全く変わらない街もあり、そして9.11から17年後にはワールドトレードセンターを復活させるあたり、アメリカ人の前向きなパワーを感じました。

物価が高いという実感はありましたが、数年前に行ったロンドンでも東京との物価の差を感じましたし、台湾や北京は東京とほぼ同じ位まで物価が上昇してきています。

今回は東京とニューヨークについての経済指標を比較してみます。

 

都市圏の人口規模

アメリカ都市圏人口

アメリカにはMSAといって経済的な結び付きを考慮した都市圏という考え方があり、ニューヨーク都市圏にはニューヨーク、ニューアーク、ジャージーシティーが含まれます。

アメリカ国内でのニューヨーク都市圏の規模は1,956万人で1位です。

次いでロサンゼルス都市圏が1,282万人、3位がシカゴ都市圏で946万人と続きます。

では、世界規模で見るとどうか?

世界都市化予測

国連統計局の「世界都市化予測」によれば1位が東京圏(首都圏)で3,666万人(2010年)、ニューヨーク都市圏は1,942万人で6位です。

注目すべきは、人口増加率です。2000年と2020年の20年間の増加率が年間0.36%ずつなのに対して、ニューヨーク都市圏は年間0.66%ずつ増加するという予測です。

 

都市圏の経済規模

ブルッキングス研究所

PWHC

都市圏の域内総生産にはいくつか指標があるようですが、例えばブルッキングス研究所によれば1位が東京圏で16,170億ドル(約183兆円)、2位がニューヨーク都市圏で14,030億ドル(159兆円)。

プライスウォーターハウスクーパースによれば1位が東京圏で14,790億ドル(167兆円)、2位がニューヨーク都市圏で14,060億ドル(159兆円)といずれも世界1位・2位です。

実は東京都市圏の域内経済規模はニューヨーク都市圏よりも大きいのです。

 

消費者物価指数

consumer price index all items

アメリカの消費者物価指数は1982年を100とすると2000年に170、2017年で245と着実に物価が上昇しています。この17年間のインフレ率は年間2.17%です。

消費者物価指数_日本

一方、日本の消費者物価指数は2000年から2017年という期間だけ見てもほぼ横ばいです。

 

このように、人口規模、経済規模とも今の時点ではほぼ同じ東京圏とニューヨーク都市圏ですが、明確に違うのは人口増加率とインフレ率です。

人口規模が拡大していけば需要と供給のバランスから一定のインフレが起こります。

インフレ市場では貨幣の価値が下がっていくのでインフレ率を超える利回りを得るために投資をします。そして投資資金が経済規模を拡大させ、イノベーションを生み出していきます。イノベーションによって雇用が生み出されて人口が増加する。

この好循環がニューヨークにパワーを与えている原動力の一つだと思います。

東京がすべきは人口を増やすこと、それも地方から一極集中によるものではなく移民の受け入れなどを真剣に考えなければいけないのではないでしょうか?

 

(渡辺博之)

 

   

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