リクルート住まいカンパニー「2016年賃貸契約者にみる部屋探しの実態調査」からわかること
9月21日にリクルート住まいカンパニーのサイトで部屋探しに関するアンケート調査結果がリリースされていました。
https://www.recruit-sumai.co.jp/data/upload/chintai_cyuosa_20170915.pdf
いくつか興味深い点がありました。
部屋探し開始から契約までの期間が10日未満で決めている人が45%、1ヶ月まで範囲を広げると83%にも及びます。合わせて不動産店舗への訪問数が1店舗という回答が約50%を占めています。
これは、まずはネットやスマホアプリで下調べをして、候補を絞り込んでから不動産屋さんへ行く、ということでしょう。仲介業者としては路面広告よりもポータルサイトやアプリの方がより重要なユーザーとの接点になっていくということかもしれません。物件としては、いかにスマホやパソコン画面に露出するか、検索で引っかかるか、そしてユーザーに魅力的な物件に映るか?が選ばれるための最低条件になってきそうです。SNSと物件の融合も進むでしょう。
家賃と広さが同じという前提条件で、「間取りが自分好み」であることは「駅からの距離」に優先するようです。
これは例えば「30㎡の1Kよりも30㎡1DKが良い」ということでしょうか?しかし、「自分好み」ということなので1Kと1DKどちらが良いか?ということのヒントにはならなそうです。これは部屋を探す際には「駅からの距離だけでなく、間取りを重視している人がたくさんいる」ということでしょう。同様に「住宅設備がきれい」であることや「内装がきれい」であることも重視しているようです。これからはその地域の競争力のある物件の間取りやデザインの特徴を押さえた計画が必要になりそうです。
「実家と賃貸の住宅性能の満足度」も調査しています。
20代以下の場合は実家が新しいので性能が良い反面、賃貸している物件はなかなかグレードの高い物件は借りられないからでしょうか。遮音性、断熱性、住宅設備全てで圧倒的に賃貸物件の満足度が低いです。性能の良い家で育ってきた最近の学生向けのアパートを新築する場合はこれらの性能とコストの費用便益を検討することが重要になりそうです。
これはあくまでもアンケート調査ではありますが、物件を供給するオーナー側の目線では見えてこない部分もあってとても重要な資料だと思います。
2017/10/14