ようこそ「見立ての世界」へ
9月30日に終了した、NHK朝の連続テレビ小説「ひよっこ」のタイトルバックに流れていた、昭和レトロな風景のミニチュア作品が印象に残っている方は多いでしょう。
このミニチュア部分を手がけたのがミニチュア写真家の田中達也氏。
食品や文房具、家電、日用品など日常にあるものを素材として見立て、趣味で集めていた約1.5cmの鉄道模型用人形を主人公にジオラマをつくり撮影しています。
熊本出身の田中氏はもとは鹿児島のデザイン会社のアートディレクターで、カメラマンに依頼する立場の中、自らもカメラを始め、2011年よりインターネットで独自の「見立ての世界」を「MINIATURE CALENDAR」で一日も欠かさず発表、それがSNS上で反響を呼び、メディアに取り上げられるようになりました。今ではミニチュア写真家として独立し、作品を作り続けています。
一部その中の作品をご紹介します。
Departure
「2016年発2017年行き、新パン線まもなく発車します〜」
Bouldering
「甘く見ていたわ、、こんなに登るのが大変だなんて!」
Cutting
「1cmずつ食べたいというわがままなご要望にもお応えします」
Waste-Paper
「はじけろ発想!」
Poolside
「リアルなメモ=メモリアル」
Rain punch
「雨あけパンチ」
Highlightsaber
「スターウォーズ ジェダイの”復習”」
Method
「問題の解き方は人それぞれ」
Library
「AmazonのKindle本、約10万点が最大50%ポイント還元セール中ですよ。本日27日まで。
ちなみに私は70冊ほど衝動買いしました(全部漫画)」
Escalator
「おつかれーター」
Apartment
「部屋が空く(開く)かは運次第」
出典miniature-calendar.com
思わず「うまい」と膝を打ち、可愛いけどくすっと笑って楽しめて、かつ、ひとつひとつの「見立て」の情景、世界観がこの画の中で完結していて見事です。
コッペパンを新幹線(新パン線)、ブロッコリーを木に見立てるなど(アイデアに困ったときのブロッコリーとコメントにあるようによくブロッコリーが登場します)、なかなか思いつかない発想、アイデア、ユーモア満載の、大人が楽しめるジオラマといえるでしょう。
「子供の頃、欲しいおもちゃを買ってもらえなかったときに発揮する想像力がアイデアの原点」という田中氏。
ミニチュアの視点からどんな素材をつかって、今後もどんな「見立ての世界」を見せてくれるのか、日めくりカレンダーのように毎日更新される「MINIATURE CALENDAR」miniature-calendar.comに注目です。 ちなみに、わたしが好きな作品はMemoryです。テーマ別に見るとより楽しめるかも。
Memory「曲とともに思い出も記録します」
(のげ)