土地購入からの賃貸経営スタイル「土地からオーダーメイド賃貸」

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司馬遼太郎は知っていた…

司馬遼太郎の目には土地の高騰はどのように映っていたのか?

shiba

『土地と日本人』という昭和51年に出版された司馬遼太郎の対談集が、Amazonで中古品として出品されていたので買いました。

中でも面白かったのが松下幸之助との対談です。

資本主義とは本来、モノを作って売って利潤を得ることなのに、それ以外の土地投機(普通の商売以上の思惑や欲望を望む)で多くの利潤を得ている、その結果として物価が高騰している体制は間違っているのではないか?という司馬に対して、松下は「うちの会社は必要以上の土地は買わんのですよ。そうすると、要る人が困るから。要るだけの土地を買う、要らん土地は買うてはならんというのが、うちの方針です」と。流石です…。

この本の中では昭和30年代から土地の高騰が始まったとあり、この本の書かれた昭和51年時点でも土地の高騰の状況は異常だったんですね。実際にこの期間の土地の上昇率は平均して前年比+20%くらいだったようです。

さらに松下幸之助は「日本の過去の例を見ていると、なかなかつぶれるようでつぶれまへんな、日本は。だから、国運というのはまだまだある」と楽観的ですが、司馬遼太郎は「土地は公有だという合意が原則だけでも成立しない限り、土地の上に成立している政治、経済あるいは人文などの諸現象の生理は土地の病気そのまま受けますから、異常が異常を重ねてゆくのではないでしょうか。まあ、崩れるところまで崩れきるのを待たなければしょうがないということもあるかもしれませんが」とかなり悲観的な目で当時の状況を認識していたようです。

そしてこの15年後に日本はバブル経済と崩壊を迎えたのです。

   

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