コロナと供にテレワークも去るのか?
コロナによって大きく進んだテレワークですが、コロナ後はオフィス回帰の動きが起こるのではないかというレポートがここのところ増えてきたように感じます。
【全国賃貸住宅新聞の記事】
この記事によると、
- コロナ収束後には9割程度コロナ前の状況に戻る
- オフィス勤務を希望する方向に働き手の意識が変わってきている
- テレワークニーズは残るため、都心部に出勤可能な範囲の郊外では在宅勤務がしやすい間取りや広さへの需要が残る
【JLL・「ポストコロナ」のリモートワークは定着するか?】
このレポートによると
- 現在の日本のリモートワークの実施状況は19%で、2020年5月の32%から減少している
- 日本のリモートワークは現時点ではIT業界や金融業界、従業員1000人以上の大企業が中心
- リモートワークを望む層は10%にも満たない
- 働き手側のオフィス回帰希望理由は「孤独感」「正当な評価を受けられない不安」があげられる
- 一部の企業ではオフィス床の減床を行った上でシェアオフィス利用へとシフトする流れもある
その結果として住宅市場にどのような影響があるのでしょうか?
【JLL/新型コロナウイルス感染拡大によるレジデンシャルセクターへの影響】
このレポートによると
- 在宅勤務を通じて多くの人が「集中できるスペースの必要性」「通勤による労力の軽減」を実感しており今後の住宅市場に影響を与える
- 暮らし方が固定されやすい購入より変化に適応しやすい賃貸に追い風
- 一方で税制改正による実需市場への後押しが賃貸市場には逆風となるかもしれない
- 今後も一定割合の在宅勤務が継続されることが予想され、自宅がオフィスの一部という思考が広がることから、それを充足する間取りのニーズが高まる
- 交通利便性への重視はやや薄まり、住環境の整った郊外に広がり、立地の多様化も進む
このように今後のオフィスと住宅のあり方は大きく変わっていくものと思われます。
賃貸住宅の企画も、これまでのように「年齢」「性別」「年収」程度のターゲティングに加えて、借り手の「働き方」も想定したものとする必要がありそうです。
(渡辺)