全米ОPテニス、ちょっといい話
文春「NUMBER WEB」より
テニス4大大会の一つ全米オープンがはじまりました。
昨年の全米OPではベスト4入りした錦織選手(世界ランキング7位)は3回戦で敗退。
大坂なおみ選手は、6月の全豪OPで3回戦負けして世界ランキング2位に転落したものの、8月に1位に返り咲いて全米オープンを迎えましたが、4回戦で敗退しベスト16に終わりました。
大坂なおみ選手の3回戦はWOWOWでライブで(日本時間午前2時開始)視てました。
対戦相手は愛称「ココ」、世界ランキングは140位ながら7月のウインブルドンでは元女王のヴィーナスウィリアムを破りベスト16のアメリカテニス界の新星15歳、コリ・ガウフ。
第1セットの前半はお互いサービスゲームを獲ったり獲られたりのブレイク合戦で、ガウフのストロークがなかなかよくて、ガウフがポイントとるたびに大歓声がおきるような大坂にとってはアウエイな状態。
ひよっとして大坂は負けちゃうんじゃないかと思うくらいの勢いでしたが、徐々に大坂が押していき、劣勢になるとそこはまだ15歳のガウフ、ダブルフォルトを連発して自らくずれていき、終わってみると大坂の6-3、6-0の圧勝でした。
試合が終わると普通は勝った選手だけがそのままコートに残ってインタビューを受けるのですが、大坂は泣きじゃくっているガウフに一緒にインタビューを受けようと声をかけますが、ガウフは「泣き顔をみんなに見せたくない」と何度も断ります。
「一人でシャワーを浴びながら泣くより、ここでみんなの前で話をして終わりにした方がよくない?」と大坂がやさしいまなざしで肩に手を添え何度も説得して(実際に視ていると長い時間に思えました)、ようやくガウフもこれに応じて一緒にインタビューを受けることになりました。
その様子をみてると大坂なおみがお姉さんでガウフが妹、と姉妹に見え、インタビュアーも「まるで姉妹のよう」と言ってました、ちょっと感動するようないいシーンでした。インタビューではガウフの健闘をたたえていて、大坂は成長したなあと思いました。
「一人でシャワーを浴びながら泣く」って言葉、なかなかリアルですよね。
メンタルが弱いと言われ続けた大坂もちょっと劣勢になると自らくずれて自滅で負けてしまうことが多かったので、自滅で負けて号泣しているガウフをみて自分の姿と重ね合わせたのでしょう。この言葉でガウフもハッと心動かされたのではないでしょうか。
今回は残念ながら4回戦で負けましたが、この粋なはからいで大坂なおみはまた魅せてくれました。
WOWOWのテニス中継は選手の対戦を視るのも面白いのですが、伊達公子の解説を聞くのが楽しみのひとつでもあります。
WOWOWの解説にはいろんな名選手が出てくるのですが、なかでも伊達の解説がダントツです。
プレーの解説、選手の心情、ゲームの流れ、勝利の分岐点、ひとつひとつをとっても非常に正確に解説していて毎回うまいこと言うなあと、感心しています。
それに比べ、M岡S造の解説ときたら・・・、いやいや、これ以上言うのはやめておきましょう(笑)
(のげ)