レオパレス21施工不良問題の影響
賃貸アパート大手、レオパレス21が施工した建物に施工不良が見つかった問題で、
レオパレス21は同建物の入居者7,782人に今月末(3月末)までの退去をお願いしています。
3月末といえば新社会人、新入学の転居と重なり、折しも引越しドライバー不足で国会でも取り上げるほど
社会的にも「引越し難民」として問題視している時期に転居をお願いするとは、その企業姿勢も問題では
ないでしょうか。
また、この施工不良問題は建築業界にも恐らく多大な影響を及ぼしそうです。
建物の検査には「中間検査」と「完了検査」があり、中間検査に合格しなければ「完了検査」は受けることができず、
当然検査済証が発行されることもありません。
レオパレスが建てたアパートは建築検査機関を通して中間検査、完了検査を受けたものなのですが、界壁などの不法行為が
見逃された検査体制が問題視されています。
問題となる界壁の施工不良については、完了検査寺に写真添付で良い場合が多く、悪質な視点でみれば写真の流用で検査
が通ってしまう恐れがあります。
安全、安心、快適で豊かな空間を設計という仕事を通して提供する者のとして、法令は当然遵守するものであり、
この問題が今後も起こり得る検査の隙間がある以上、改善すべき問題点なのだと考えます。
建築は法規制が厳しく、一般の方が理解して違反の無いように建物を創ることは困難です。有資格者、建築士がオーナー
の代行として法を遵守した設計、設計監理を行い、しっかりと施工し問題のない建築を創るようになっています。
そこには信頼関係が前提としてあります。
レオパレス21はその信頼を失うものでした。
私たち設計士はその信頼回復に努めるべく、変わらず真摯に向き合って行きたいと思います。
(kozuru)