熊本に行ってきました。その2
滞在期間3日の内、
2日間と半日で延べ100棟以上の調査を行いました。
初日の午前中は全員で調査を行い精度感を共有しましたが、
午後からは各班に別れて調査を。
災害時に募金活動以外でもこんなことができるんだ、と再認識です。
旧耐震でほぼ被害が無かった賃貸マンション。
団地型の平面構成で1階から5階まで同じプランでバランスがとれた平面計画だと思います。
一階部分が倒壊した鉄筋コンクリート造3階建てビル。
崩壊前の状態を直ぐに確認した写真。
既に日系の雑誌アーキテクチャーにも掲載がありましたが、
1階部分が完全に崩壊した店舗兼マンション。
建築学会の皆さんも調査に来ておりました。
崩壊前の状態をやはり確認しましたが、
1階は全部店舗として利用されていたようです。
幸い人的被害は無かったとのことです。
2階以上は目立った崩壊はありませんでした。
そして被害が大きかった益城町。
戸建住宅でも倒壊した住宅もあれば、そうでない住宅もあり、、
初めて見る断層の跡。
この延長線上にある家屋は大きく倒壊しておりました。
木造建物の被害状況を見ていて気になったことは、
釘や”かすがい”程度の接合状態。
金物の仕様で被害状況が変わった家屋もあったかもしれません。
メディアでは全壊している建物ばかりが取り上げられますので、
木造はダメなんじゃないか、、、
構造は何がいいのか、、、、
鉄筋コンクリート造ならいいのか、、、
色々な憶測が生まれます。
昨日の新築アパートのご相談の方も同様な質問をされました。
同じ築年数の建物でも、倒壊したものもあれば、
そうでない建物も沢山ありますし、
いわゆる”新耐震基準(昭和56年6月以降)”であっても
被害が大きかった建物もあります。
大事なことは、
建物の配置計画、平面計画、構造計画、
構造壁のバランスや偏りのないプランニング。
そして当然ですが、施工基準を遵守して施工する。
難しい理論よりも基本的に忠実に、、
ということではなかったのかというのが、
参加者メンバーが感じたことだと思います。
今回は猪俣さん陣頭指揮のもとにチーム編成ができました。
解散したわけではありませんので再出動はいつでも。
熊本の皆様、まだまだ大変かと思います。
力になれることがあればいつでも[ogata@reframe.co.jp]まで連絡ください。
最終日は少し時間がありましたので地元の建築を案内して頂きました。
旧熊本逓信病院(1955)
既に一部が閉鎖されていましたが、
設計は京都タワーや武道館の建築家としても知られる山田守。
建築系でない方は”へぇーーー”かもしれませんが、
全体のプロポーションとサッシワークがいいんですね。。
基本に忠実にと言っておきながら、
こんな建物もやっぱおもしろいなぁ、、、
と思うのは性分でしょうか。
2016/05/26