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ニューヨークと都城から見えてくること

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アマゾンがシアトルに次ぐ第二本社をニューヨークとワシントンDC郊外のクリスタル・シティーに建設する計画を白紙撤回するそうです。

アマゾンの計画では総額50億ドルの投資を行い2万5千人の新たな雇用が生まれる計画でした。

それに対して自治体からは30億ドル規模の助成金や税制優遇の提供が約束されていたようです。

反対派の考え方は

  • もともと中間所得者層が多いロングアイランドにアマゾンが進出すると家賃が高騰する
  • 多額の利益を上げているアマゾンに税制優遇は不要
  • 30億ドルは別の形で地元に投資するべき

こんな意見を地元出身の政治家が利用して反対運動を盛り上げたようです。

アマゾンとしてはニューヨークとの協議に時間をかけるくらいならば他の都市を再考するほうが合理的だと考えたのでしょう。

 

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一方、日本では宮崎県都城市の都城市民会館の解体が決まってしまったようです。

菊竹清訓氏設計により1966年に完成した「メタボリズム建築」です。2007年に閉館され地元の大学に無償貸与された末、改築費用の捻出ができないという理由で解体されるようです。

自治体が解体の理由として

  • 都城市民会館の保存より優先するべき政策課題(人口減少対策、子供子育て支援・・・など)が山積している
  • 市民アンケートで解体指示が多数

を理由としてあげています。

その建築史的な重要性から日本建築学会が中心となって保存の申し入れを行っていたようですが、実現には至らなかったようです。

「都城市が旧都城市民会館を保存活用するためのアイデアのみの提案に応じることは困難である。」というのは建築学会の提案に対する市の回答でしょう。

 

人が集まるところには雇用が生まれ、物価が上昇して、賃金も上昇、新たな建物が必要となる。

 

ニューヨークの場合はアマゾンを誘致することで中間所得者層全体の底上げになっただろうし、都城の場合は保存によって雇用を生み出すという視点での提案がなされなかったことが解体の方向性を変えられなかった一因だと思います。と同時に、持続可能な自治体経営を行うには、雇用を創出するということはこれから本当に重要になるだろうと思います。

 

(渡辺博之)

   

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