熊本で、不動産・建築・設計について考える
5月23日~25日の日程でIREM japan / CCIM jpanの総会で熊本へ行ってきました。熊本地震直後、やはりIREM japan のご縁で参加した被災建築物の応急危険度判定以来、2年ぶりでした。
2年前の熊本行きの飛行機には防災服を着た総務省の方や国交省の方が乗り合わせていたり、前の席には宮城県知事や新潟県知事が座っていたりと、異様な緊張感が漂っていたのを思い出しました。
2年ぶりの熊本城。
天守閣をジャッキアップして基礎と石垣の修復工事をしていました。来年には天守閣の修復は完了するそうです。しかし、崩れた石垣の修復作業はまだまだ手付かずです。
総会に先立って行われたIREM japan のセミナー。
不動産管理会社の生産性向上への取り組みの一環として行っているペーパーレス化への取り組みについてのお話や、様々な企画型民泊の事例やポイント、軒先.comやSpaceMarketのIT企業のシェアビジネスについてのセミナーでした。不動産業界もどんどん変化していますし、他業種との境界もどんどんあいまいになってきています。法制度もどんどん変わってきますし、その流れに敏感でいなければあっという間に取り残されていってしまうでしょう。今回は特に不動産賃貸業とITのシェアビジネスの境界線がどんどん曖昧になってきているのを感じました。
翌日の総会では新CPMの授与式と新CCIMの授与式が行われました。私は昨年度にCCIMのセミナーを受講したのでCCIMの授与式に参加しました。アメリカのCCIM本部のCrane会長とCCIM japanの後藤会長から盾と証書を受け取りました。
パーティーではくまモンが登場し、熊本県民なら誰でも踊れるという「くまモン体操」を披露してくれました。それから「くまモンジャンプ」も。
また、CCIMの最終試験の結果、光栄にも壇上に上げていただくことが出来ました。
ITはSNSとの連携で様々な業界に構造の変化をもたらしています。メディア、小売、観光、自動車、そして不動産。
しかし、ITは収益のシステムをデザインし、SNSで共感を揺さぶることでユーザー同士をマッチングする「アプリ」に過ぎません。
世の中にはアプリを起動するiPhoneが必要です。
不動産・建築業界にも様々なアプリが業界を大きく変えています。
そんな中、建築の設計という仕事はアプリを入れる箱作りみたいなものだと思います。
「収益をデザインした、ものづくりをする」というスタンスで、
CPM・CCIM理論を軸にした不動産の価値を、
建物のデザインに変え、
実際にそれをつくる。
これが、これからの建築設計事務所のあり方。
そんなことを考えた熊本出張でした。
(渡辺博之)