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【賃貸住宅の法規制】開発許可制度~横浜市の場合~

大規模な畑や山林に住宅やマンション等を建設する場合、建物の確認申請の前に都市計画法に基づく「開発許可」を受けなくてはなりません。

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都市計画法では市街化区域の場合1,000㎡以上、市街化調整区域の場合は原則全ての規模の開発行為が規制対象です。開発行為とは「土地の区画形質の変更」のことで、主に切土・盛土・地目の変更を指します。

しかし、注意しなければならないのは3大都市圏(東京・大阪・名古屋)の市街化区域では1000㎡が500㎡以上になるなど規制が強化される点です。

例えば横浜市の場合、開発行為の規模は市街化区域で500㎡、市街化調整区域では原則全てが対象です。

市街化区域で500㎡以上の区域の開発許可を受けるためには道路、下水道、公園などの公共施設の整備や宅地の安全性、工事施工能力等について設備基準に適合させなくてはなりません。ここまでは都市計画法のお話です。

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これに加えて、各自治体で開発許可についての条例を定めることができます。横浜市では「開発調整条例」という条例を定めており、市街化区域の場合は500㎡以上が対象、また、共同住宅の建築を目的とする場合は500㎡未満でも100戸以上の場合や崖地を利用した地下室マンションの建設は対象になります。対象となった開発行為を行う事業主は計画看板の設置や近隣住民への説明、道路や歩道の整備、緑地の確保、雨水流出抑制施設の設置などを行うことになります。また、この条例によって敷地面積の最低限度が決められますのでこれより小さく宅地分譲することができなくなります。

これらの都市計画法及び開発調整条例による設備基準についての工事が終わり、開発許可の完了検査が終わるとようやく上に建設する建築物の確認申請を提出することができる仕組みです。

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市街化調整区域で建築行為を行う場合は原則、全て開発許可を受けることになります。市街化調整区域は建物を建てられない地域ですから、都市計画法で定める農業用建築物等の建築が特例として許可される他、「既存の建物の建替え」や「農家の分家の建築」、「公益施設の建築」、「特養・老健施設の建築」、「障がい者グループホームの建築」などの横浜市開発審査会提案基準に定める用途のみが特例として許可申請できることになっています。

 

とても複雑な制度だけあって、開発許可申請から建築着工まで1年以上はかかります。

また、同時に農地の転用許可や道路の位置指定などの手続きも進めることになる場合は、経験豊富な建築士に依頼すべきです。

(渡辺博之)

   

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