2LDKの可能性【賃貸編】
先週、野村不動産が中央区で39戸全て2LDKという企画の分譲マンションを発売するという記事について書きました。
その物件「プラウド日本橋人形町パサージュ」のHPに、周辺の市場分析がありました。
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分譲マンションの場合、1LDKタイプは40㎡台、2LDKタイプは50㎡台、そして3LDKタイプは70㎡台に供給数のピークがあるのがわかります。
そして、この分譲マンションは60㎡台という「ちょっと広めの2LDK」を供給することで希少性と差別化を図っているのです。
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では、賃貸住宅の市場ではどうでしょうか?
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2LDKというタイプに絞って考えると
- ①50㎡台の王道を攻める
- ②60㎡台の「ちょっと広めの2LDK」を攻める
- ③40㎡台の「ちょっと狭いけど」2LDKを攻める
の3つが考えられます。
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①の場合、市場は既にレッドオーシャンです。もしかすると供給過多かもしれません。そして、分譲マンションを賃貸マンションにしている、いわゆる分譲賃貸との競争にさらされてしまいます。分譲仕様と比較すれば設備や建物のグレードで劣ることになります。
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②の場合、市場としては希少性が高まりますが、賃料は上げざるを得ません。家賃の総額を上げれば、それだけの家賃を出せる世帯そもそもの数が減ってしまいます。もしかすると、その家賃を払うなら住宅ローンで50㎡台の分譲マンションが購入できてしまうのかもしれません。
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③の場合であれば、現に2LDKに入居していて、もう少し家賃を下げたいなぁと考えている層や2LDKの間取りを潜在的に必要としていながら1LDKに入居している、という方の住み替え需要を掘り起こすことができるかもしれません。
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また、地区は違いますが城西・城南4区(杉並・世田谷・目黒・品川)の築10年未満の2LDKタイプと1LDKタイプの賃貸マンションの成約数(過去3年間)を比較したグラフをつくってみました(データはレインズより)。
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40㎡台の成約数を比較すると、1LDKの成約数は2LDKの約60倍です。
この40㎡台の市場で希少価値の高い2LDKタイプを供給できれば、競争力の高い物件になると思いませんか?
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とは言え、40㎡台で本当に2LDKの間取りが成立するのか?
間取りの設計にはかなり効率的で、無駄のないプランニングが求められます。
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なぜならLDK10帖(16㎡)+主寝室5.5帖(9㎡)+寝室4帖(6.5㎡)+収納2帖(3㎡)=35㎡ですから残り10㎡に水廻りとトイレと玄関と廊下を納めなくてはいけませんから!
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しかし、弊社の得意とする「土地からオーダーメイド新築一棟マンション」方式ならば、各エリアの市場分析に基づいてマンションのコンセプトを練り、そのままワンストップで企画設計まで作り込むことでそれが可能になります。
(渡辺博之)